TK@wm1a

オーディオ関連のレビューを適当にしています。

BQEYZ SUMMER レビュー (6/8 追記)

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BQEYZ SUMMER のレビューです。

Twitterで少し話題になっていた機種です。BQEYZは個人的にも気になっていたメーカーなので、結構期待が大きかったです。

 

 ↓ 商品ページはこちら。

 

付属品は、イヤホンケース、クリーニングツール、ケーブル、イヤーピース、説明書等です。説明書は(機械翻訳的ではありますが)日本語もあり、日本市場向けを意識していることが伺えますね。

 

グッドポイント👍

  • 派手な音作りが好きな人には堪らない音。
  • 高音の突き抜ける感じが良い。
  • 珍しいクリアブルー。
  • 樹脂筐体なので軽い装着感。
  • 標準でそれなりのケーブルが付属。 
  • スマホでも鳴らしやすい。

イマイチポイント👊

  • 低域の解像度がもう少し欲しい。
  • 造りは悪くないものの、Spring1などと比べると少し安っぽさを感じる。
  • 刺さりが苦手な人は避けるべきかも。

 

1. 外観、装着感、付属品等

本体色は青、黒があります。筐体は樹脂で、ステム部分のみ金属になります。筐体の形状は、CIEMのように出っ張りがあるタイプです。最近だと、KZのDQ6ASXに見られる形状ですね。そこまで出っ張っているわけではないので、装着しにくいということも無いと思います。遮音性は普通くらいだと思います。音漏れについても、常識的な音量で聴いていれば気にならない程度です。

イヤーピースはSサイズ、Mサイズ、Lサイズの色違いが付属します。軸部分は一応少し違いますが、ほとんど同じ物と考えて良さそうです。ステム部分が大きいので、軸が細めのイヤーピースは装着できないかもしれません。手持ちで試した中では、CP145、SednaEarfit、Type E、AET07は問題無く使用できましたが、ソニーのハイブリッドイヤーピースは少しキツめでした。

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2. 音質

高音:☆☆☆☆

中音:☆☆☆

低音:☆☆

ドライバ構成は、1DD+1BA+1Cとなります。個人的にはBQEYZと言えば圧電セラミックドライバを想像します。Spring1やSpring2などは評判も良かったですし、それらの技術が応用されていると考えられます。

音質はかなり良いです。初めてBQEYZのイヤホンを使ってみましたが、セラミックドライバ(ピエゾ)の突き抜ける高音が気持ち良いですね。一方で、音の一体感はあまりなく、どの音がどのドライバから出ているかすぐわかります。勝手にピエゾと言えば高音域というイメージがあったのですが、実際は高音域から中音域を担当するようです。

高域はこのイヤホンの特筆すべきところです。明瞭で解像感も高く、ハッキリクッキリした音を鳴らしてくれます。樹脂筐体ということもあり、金属的な刺さりはありませんが、かなり他の音域よりも強く出る印象があります。音の被りや、曇った感じも全く無く、鮮烈な音を鳴らしてくれます。個人的には金属の響きを生かしたような音はとても好きなので、Spring1やSpring2も是非聴いてみたいところです。

中域は少し凹んでいるように感じるかもしれません。高域と低域の主張が強いので、あまり前に出てくる感じはありませんが、しっかりとボーカルなども聴かせてくれます。

低域は少し気になるところです。もちろん価格帯を考えれば、解像度も十分ありますし、低音の圧もしっかりと感じられるのですが、高域の音に比べると解像度の差を感じることがあります。特に低域の音数が増えると、全ての音をしっかりと鳴らしきれず被ってしまっているように感じます。しかし、普通に聴いている分には気になる程ではなく、高域と比べると…というレベルなので、決して悪いというわけではありません。また、すべての曲で気になる訳ではなく、EDM系だとあまり気になりませんでした。

(2021/06/08 追記)

レビューを書いてから、100時間エージングしました。最初にレビューを書いた時点でも20時間ほどエージングは行っていたのですが、低域がかなり改善したので追記しておこうと思います。正直に言うと、このイヤホンは箱出しの時点ではあまり良い印象はなく、10時間ほどエージングしてかなり良くなりました。そのため20時間あたりでレビューを書いたのですが、ダイナミックドライバー側はもっとしっかりと鳴らし込む必要があるようです。
100時間エージングの結果としては、低音の混濁感はかなり改善されます。僕はヨルシカをよく聴くのですが、楽器の音がかなり聴き分けやすくなりました。鋭い低音というよりは、塊のような大きな印象を受けます(ここはエージング前とあまり変わらず)。やはりEDMのような低音の上に高音の華やかな音で聴かせる曲がオススメです。迫力はとてもあるのですが、音の一体感は相変わらずあまり無く、多ドラらしい音という印象です。ここは値段を考えれば仕方ないところかなと。

リケーブルも試してみましたが、手持ちと比較すると付属のケーブルのままでいいかなという印象でした。あくまで個人的な好みですが、銀ケーブルにすると高音がキツすぎ、銅ケーブルだと低音が飽和してしまう感じがしました。まあ、僕の手持ちのケーブルは安物ばかりというのもあると思いますが…(^_^;)。

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3. 総評

価格がAmazonで約14000円であることを考えると、青色クリアシェルのイヤホンが欲しい、派手な音が好きであればコスパの良いイヤホンだと思います。僕はとても気に入っていて、最近よく使っています。Twitterでは聴き疲れしやすいという意見もありましたが、個人的にはあまり気になりません。中華イヤホンをよく使う人には、気に入る人も多いと思います。ですが誰にでもオススメできるという訳では無いです。刺さりなどが気になる人は避けるべきです。

筐体が樹脂なのもあって、Spring1やSpring2に比べると安っぽさもあります。箱はすごく豪華で、スマホの化粧箱みたいな感じなんですけどね…(^_^;)

ケーブルも標準で銀メッキケーブルが付属するため、音の傾向を変えたい以外では、あまりリケーブルする必要も無いと思います。 中華イヤホンが好きで、14000円で完結させたいのならオススメです。

 

 

TRN TA1 レビュー 2021/03/12追記。

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TRN TA1 のレビューです。

某イヤホンに似ていると話題になったこのイヤホンですが、何故かAliExpressよりも先にAmazonで販売されていました。今回は4999円にて購入しました。現在はAliExpressでも販売が開始されており、約$30ほどで購入できるようです。

 

 

 

付属品は、ケーブル、イヤーピース(3種類)です。

 

グッドポイント👍

  • 4999円にしては筐体の作りはとても良い。
  • KnowlesのBA搭載。
  • 高音の伸びが良い。
  • 装着感◎

イマイチポイント👊

  • 低域の解像度があと一つ欲しい。
  • スマホで鳴らすには少し厳しい。

 

1. 外観、装着感等

本体色はシルバーのみで、S社のイヤホンにそっくりです。パクリかと思えば、筐体は結構しっかり作られています。金属製でTRNのロゴを隠したらパッと見ではわからないかもしれません…(^_^;)

筐体が耳に触れる部分はあまり多くなく、イヤーピースとケーブルで支えるような装着感です。遮音性は平均的で、少しだけ音漏れはありますが、常識的な音量で使用していればほとんど気にならないレベルだと思います。

今回は低価格機にしてはイヤーピースが豊富です。黒色の通常タイプのイヤーピース、AET07っぽいやつ、フォームタイプです。フォームタイプを除き、S/M/Lが付属するので、大抵の人は耳に合うものがあると思います。AET07っぽいやつは、似ているだけで細かく見ると違います。どちらかと言うと、セリアで売られている低音重視みたいな謳い文句で売られているシリコンイヤーピースに似ていますね。

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2. 音質

高音:☆☆☆☆

中音:☆☆

低音:☆☆

ドライバ構成は、1DD+1BAのシンプルなハイブリッドです。BAドライバにはKnowles製のBAが使われているらしく、他にはFiiOのサブブランドであるJadeAudioのEA3などもKnowles製BAドライバを採用していますが、この価格帯としては珍しいです。

音質は結構良いです。TRNは金属的な高域が強めのドンシャリが多いですが、TA1の高域はそれほど金属を感じません。音は相変わらずの少し高音強めのドンシャリではあります。各帯域をざっくり表すと、高域は解像感高くしっかり伸びる印象、中域は少し凹んでいますが十分、低域は少し粗を感じますが悪くない感じです。

高域はKnowles製のBAが担当しているだけあって、とても華やかで綺麗です。同じTRNのBA8よりも高域は良く感じますね。しっかり伸び、この値段で買えるイヤホンとしては安っぽさがなく、解像感も高いです。刺さりもなく、とても聴きやすいと思います。先日レビューしたKZ DQ6よりも美しい高音を鳴らしてくれます。

中域は1DD+1BAなので少し引っ込んで感じるかと思えば、そこまで不足しているようには感じません。ボーカル曲であってもしっかり聴かせてくれるイヤホンだと思います。

低域は箱出しでは粗が目立ちましたが、しばらく鳴らしているとあまり気にならなくなりました。ある程度エージングが進んだ後では、厚みのあるしっかりした音を鳴らしてくれます。個人的には解像感がもう一つ欲しいところです。重低音はあまり感じられず、少し軽い印象があります。しっかり沈み込むような音では無いので、EDM等には(悪くはないですが)少し合わないかもしれません。

低域についてですが、しばらくしっかり鳴らしてみました。20~30時間しっかり鳴らしてあげるとかなり低域の質も良くなり、重低音もしっかり出るようになりました。EDM等もとても楽しく聴くことができます。かなり楽しいイヤホンですね。よくできていると思います。(2021/03/12追記。)

バランス化&ケーブルも変えてみました。使用したのはcooyinの16芯銀メッキケーブルです。アンバランスでも駆動力不足は感じませんでしたが、バランス化すると低域に感じていた解像感の不足は改善されました。しかし、低域の主張が強くなってしまう分、ボーカルが少し奥に引っ込むような感じもあり、一長一短でした。リケーブルによる変化もそれなりにあるように思います。同じシングルエンドでは、finalのシルバーコートケーブルでも試してみました。この組み合わせは大変素晴らしく、低域の解像感の不足も無くなり、高域の美しさも失われませんでした。ずっと聴いていられるほど良いです。ある程度良いケーブルを合わせてあげれば本領発揮できる印象ですね。ただ、シルバーコートケーブルは新品価格で本体の4~5倍になってしまうのは流石に…(^_^;)。

 

3. 総評

4999円のイヤホンとしては、正直なところHZSOUNDのHeart Mirrorがもう少し頑張れば買えてしまうので、少し微妙な立ち位置です。さらに国内機ではintimeの碧Light、finalのE3000も買える価格帯です。しかし、AliExpressで$30で買えるのであれば、とても良い選択肢であると思います。個人的にはKZ DQ6よりもオススメですが、ケーブルをある程度良いモノを合わせないと本領発揮できないのでトータルコストは高くなるかもしれません。まだ中華イヤホンに手を出したこと無い人は、無難にHeart Mirrorをオススメします。

 

【雑記】僕とPianoForte IX。

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先月、final PianoForte IX (FI-PF9DSS3)というイヤホンをゲットしました。大変気に入っており、そのイヤホンについて少し感想を残しておこうと思います。これはレビューではなく、僕が思ったことを適当に書き綴っただけです。そのため、カテゴリは雑記としています。

 

まず、今まで少しずつイヤホンを集めてきましたが、先日断捨離ということである程度売却しました。今までは「色々な音をなんでも聴いてみたい」というコンセプトで僕は趣味のポタオデを楽しんでいました。では2021年の今年はどうかと言うと、「唯一無二の音を聴きたい」というのを目標に趣味を楽しんで行くことにしました。そのため、収集しているfinalのイヤホン、思い入れのある機種を除き、なんでも聴けるような万能タイプのイヤホンは売却することにしました。

 

2011年4月22日発売のPianoForte IXは、もうすぐ発売から10年を数えようとしています。まだfinalがfinal audio designという名前でイヤホンを作っていました。値段は税込98000円と、かなり高価なイヤホンです。何度か付属品の仕様が変わっていたりしますが、イヤホン自体は発売当時から変わっていないはずです。

 

 

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最初に目を引くのは見た目だと思います。シルエットでわかるイヤホンの一つでしょう。筐体は非常に大きく、特徴的な音導管が伸びています。最初にPianoForteを見た人が思うのは、「イヤーピースは?」だと思いますが、このイヤホンはイヤーピースを使用しません。そのまま耳に突っ込むだけです。これがPianoForteの音の肝だったりするのですが、今回はレビューでもない感想文なので、難しい話は公式サイトに任せることにします。

 

このPianoForte IXは筐体がすべてステンレス製なので、装着した直後はかなりヒンヤリしていますが、体温で温まると不思議と何も装着していないように感じます。かなり筐体が重く、装着感も褒められたものではないですが、だんだん耳から装着している感覚が消えていきます。E5000と比べると笑ってしまうほどの重量の差ですが、実はE5000よりも馴染んだPianoForte IXの方が好みだったりします。

 

 

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音質ですが、このイヤホンは衝撃でした。ズバッと言ってしまえば、ロックや早い曲はかなり籠もって感じます。とても定価が10万円近いイヤホンとは思えません。16mmのダイナミックドライバーから発せられる音は筐体内を反響し、空間を伝わって耳に届きます。その際に音数が多い曲はどうしても音が被ってしまい、籠もったように感じてしまいます。

 

これは個人的な意見ですが、音楽に出てくる楽器・ボーカルを登場人物と考えるなら、このイヤホンのステージには2人までしか上がれません。しかも、ステージが狭くて2人しか上がれないわけではなく、ステージは2人以上立てるのに、2人までしか演奏することができないのです。しかし、その人数制限をクリアすれば、持っている性能を発揮してくれるように思います。

 

アコギの弾き語りなどは非常に合います。僕はヨルシカが大好きなので、本当はヨルシカに合うイヤホンが欲しかったのですが、流石に楽器の数が多すぎて合いませんでした。

 

もう一つ僕が好きなアーティストにamazarashiがあり、「anthology1386」というPVを集めたDVDに収録されている「僕が死のうと思ったのは」の弾き語りバージョンがあるのですが、何度聴いても鳥肌が収まらないほどボーカルの秋田さんの力強い声に痺れます。こういう生演奏もPianoForteの得意分野だと思いました。

 

基本的に優しい音なので、ずっと聴いていることができます。カナル型のイヤホンだとずっとつけていると耳が疲れるんですが、PianoForteは何時間でも聴いていられます。スピーカーと同じ鳴り方をするわけではないですが、気持ち的にはスピーカーで聴いているときと同じ感覚です。

 

 

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特に素晴らしいのはPianoForteの名前の通り、ピアノの音でしょう。知っている方もいると思いますが、PianoForteとは楽器のピアノの本来の呼び名です。弱い音(ピアノ)も強い音(フォルテ)も出せることからこの名前が付いたそうです。

 

ピアノは小学校、中学校でほとんどの人が近くで聴いたことがあると思います。ピアノは美しい華やかな音を出すイメージがありますが、実際に近くで学校に置いてあるようなピアノを聴くと、結構内部で反響していて意外とクリアじゃない印象がありました。ピアノは弦だけで音を鳴らしているわけではなく、弦の下にある響板に振動が伝わることで大きな音を出しています。音色こそピアノは美しいですが、実際の音って最近の解像度重視のイヤホンで流れてくるような音じゃないと思っていました。

 

ではPianoForteはどうかと言うと、中学生のときに音楽室で聴いたあのピアノの音のそのままでした。内部の弦をハンマーが叩き、響板が振動して空気に伝え、大きな音を出す。この音の響き、空気感を感じることができます。まさにこの空気感こそ、このイヤホンのすべてだと思います。高域がどうとか、低域がどうとか語るのは無粋かもしれません。最早、PianoForteという音かもしれません。本当の高価なピアノはもっとクリアに聴こえるかもしれせんが、僕の思い出の中のピアノの音とはまさにこの音でした。田舎の中学校だったので、あまり良い楽器は揃っていなかったと思います。でも僕が中学生の時に聴いたあのピアノの音そのままが流れてきたときは、昔を思い懐かしむ気持ちでいっぱいになります。この唯一無二の音こそが、僕を魅了した音でした。

 

今年の趣味の目標は「唯一無二の音を聴きたい」、この目標に間違いなく合うイヤホンだと思います。とはいえ最初は正直失敗したと思いました。いくら特徴的な音と言われるイヤホンとは言え、ここまで解像感が無いとは思いませんでした。やはり試聴は大事です。どんなイヤホンであっても試聴して購入することが望ましいですが、もし僕がPianoForteを試聴していたら、良さに気づくこと無く、そのまま購入することは無かったでしょう。不思議な縁で偶然出会ってしまったこのイヤホン、大事に使っていきたいところです。

 


KZ DQ6 レビュー

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KZ DQ6 のレビューです。

今回はAmazon.co.jpにて3199円で購入しました。実際はクーポンがついていたのでもう少し安かったです。Aliexpressであれば、さらに安く購入することもできます。

相変わらずの適当レビューなのでご容赦ください。

 

付属品の写真はお馴染みのKZなので割愛します。

・イヤーピース(L/M/S)

・銀メッキアップグレードケーブル(お馴染み)

・いつもの謎の紙。

 

グッドポイント👍

イマイチポイント👊

  • 相変わらずイヤピはダメダメ
  • 再生機器によってはホワイトノイズが気になる 

 

以下、3本構成でお送りします。

  1. 外観、装着感等
  2. ドライバ構成と音質
  3. 総評

 

1. 外観、装着感等

今回はブラックを購入しましたが、派手なKZのデザインとは打って変わり、シンプルで普段使いもしやすい感じになりました。フェイスプレートは恐らく金属製、耳に触れるハウジングの方は樹脂製なので冬でも耳が冷たく無いです。

KZ ASXよりも小さく、CCA CA16とほぼ同じ大きさです。相変わらず突起は存在するので耳との相性は多少あります。CA16が問題なく装着できればDQ6も大丈夫だと思います。 

フェイスプレートに大きなベントがあるので、遮音性はあまり良くありません。同様に音漏れもそれなりにします。電車などのある程度雑音がある環境では掻き消されると思いますが、図書館など静かな場所では周りの迷惑になる可能性があります。

相変わらずKZのTWSで御用達のイヤピは良くありません(そもそもフジツボイヤピも良くありませんでしたが)。かなり耳の奥までステムが伸びているので、傘の短めのイヤピがオススメです。個人的にはTWS用のEタイプが装着しやすいです。

 

2. ドライバ構成と音質

高音:☆☆☆

中音:☆☆

低音:☆☆☆☆

ドライバ構成は、狂気の3DDです。細かいことは省きますが、簡単に言うと中低音から低音用のDDが1基、高音用のDDが2基入ってるようです。

音質は結構良いです。3DDという狂気の構成なので、CA16やZSN PROの低音を盛り盛りにした音なのかと思っていましたが、実際に聴くと割と普通です。確かに低音は強めですが、高音が霞んでいることもなく、楽しいドンシャリサウンドでした。

各帯域をざっくりと表すと、高域は割と主張が強め、中域はハッキリ聴こえるが程々、低域は量感や質も高く流石DD機といった感じです。音のバランスが良く、コレだよ!コレ!って言いたくなります。ASXもこの音のバランスで出してくれたら良かったのに…(遠い目)

高域は2基のDDが担当しており、曇っている感じもなく、明瞭で軽快なサウンドを鳴らしてくれます。高域の一部に少しだけ刺さりのようなものを感じることもありますが、基本的には鋭利な音ではなく、丁度いい感じです。中華イヤホンをよく使う方には、刺さりなどはあまり気にならないでしょう。同じKZのDD機のEDXはザラザラとした高域を鳴らしますが、DQ6はなめらかで明瞭なサウンドになっています。

中域はドンシャリ気味なのであまり目立つ感じではありませんが、しっかり聴くとハッキリと鳴っています。個人的にはボーカルを聴くイヤホンではないかな、と思います。ボーカルが美しいイヤホンだと、歌っている姿(特に口元の動き)が目に浮かぶように感じられるのですが、DQ6では(決して悪くは無いですが)そんな雰囲気はあまりありません。まあ3000円に何を求めてるんだって話ですが、ダンスミュージックみたいな音そのものを楽しむ方が合う印象でした。

低域はこのイヤホンの特記すべきところですね。流石のダイナミックドライバー、低音の量感は十分です。低音が飽和しすぎることもなく、ベントのお陰でよく調整ができていると感じます。解像感、アタック感も良く、ロックなども楽しく聴けると思います。特に重低音の多い曲だと、耳の中の空気の振動をハッキリと感じますね。最近BAのイヤホンばかり使ってたので、ダイナミックドライバーの低音は非常に気持ちが良く、やはり個人的にはDD機の方が好みだな、と改めて実感しました。

 

3. 総評

よくもこんな3DDのイヤホンを上手くチューニングしたなぁ…と思いました。こんな上手くまとめられるなら、ASX(ASF)は何を目指したんだ…という話は置いといて、中華イヤホン初心者であれば入門機に、オーディオを嗜まれている方にもカバンに入れておく予備として使ってもいいかなと思いました。非常に鳴らしやすく、DAPで聴いても良し、スマホでも十分駆動できるでしょう。

個人的にはリケーブル推奨です。低域が気持ち良いイヤホンなので、銀メッキ線よりはOFC線でしっかり低音を鳴らした方が良い印象でした。よりドンシャリで、楽しい音にしたければ銀メッキ線も良いと思います。オススメのケーブルはNICEHCK C16-3です。本体が黒であれば、見た目的には真っ黒な16芯ケーブルが合うんですがね。なかなかOFC線、真っ黒のケーブルで安価で良さげなモノって見かけない気がします。NICEHCKの高いケーブルならあるんですが、3000円のイヤホンには勿体ない感じがして…。

 

【備忘録】MAKE1 チューニングに挑戦。

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2020年12月、念願のMAKE1を中古にて購入することができました。

デフォルトのままでもかなりお気に入りのイヤホンなのですが、せっかくチューニングができることが目玉のイヤホンなので、より好みの音になるように挑戦してみたいと思います。

一応断っておきますが、僕は別に耳が特別優れているわけでもなく(どちらかといえばバカ耳の部類ですw)あくまで僕の好みを目指す、という趣旨です。

 

 

チューニングを行うにあたって、以下のfinal公式のサイトを参考にしました。非常に丁寧に作業手順や、お手本レシピが掲載されていて好感が持てます。

音をいじれる箇所は無限にあると言っても過言ではないほど色々な要因があります。イヤーピース、ケーブル、フィルターの種類や貼り方等…。すべて試すとキリが無いので、今回は

  • ケーブルはシルバーコートケーブル(3.5mm)
  • イヤーピースはTWS用のEタイプ
  • 弄る箇所は音導管と内側ベントのフィルター

のみとします。

 

 

まずはデフォルトの音の感想について。

①デフォルト

[音導管]フィルターA-7

[音導管]フィルターB無し

[フロント筐体内側ベント]フィルターC-11

まず聴いて第一に思うのは、音の響きが美しいです。finalのイヤホンは金属筐体が使われていることが多く、その筐体を使うのが本当に上手いメーカーだと思います。音が広がってスッと消えていく感覚は非常に気持ち良く、女性ボーカルは息を呑むほどです。

 

個人的には、もう少し音に迫力があってもいいかなと思いました。美音系なのでこのままでも良いのですが、もう少し低音が出ていれば…と感じることがあります。また、高音もより伸び、ボーカルを近くに感じられるようにしてみたいです。

 

 

よって今回のチューニングの目標は、

  • 低音域にもっと迫力を。
  • 高音域をもっと伸ばす。
  • ついでに女性ボーカルがより美しくなるようにする。

として、挑戦していきます。

ちなみに余談ですが、僕はヨルシカが大好きで、とにかくヨルシカが気持ち良く聴けることを目指してチューニングしたいっていうのが裏の目的だったりします。

 

 

②まずは高音UPを狙ってみる。

[音導管]フィルターA-1

[音導管]フィルターB無し

[フロント筐体内側ベント]フィルターC-11

とりあえず音導管で高音MAXを狙ってみました。正直なところ悪くはないですが、かなり高音がキンキン鳴るようになって、刺さりを気にする人は悶絶するレベルです。悪く言えばシャリシャリしてますね。高音を強調した分、やはり低音はより存在感が薄れます。でも結構このキラキラした高音は悪くないので、少しエッジを削るようなイメージでフィルターBで調整してみます。 

 

 

③高音のエッジを削るイメージで。

[音導管]フィルターA無し

[音導管]フィルターB-6

[フロント筐体内側ベント]フィルターC-11

フィルターA-1はほぼ無いみたいなメッシュ(一応A-1と無しで音は違うようです)なので、 音導管はフィルターB-6のみにしてみました。これも結構悪くない感じです。ですが少し低音が詰まるような感覚というか、密閉感が高すぎるような違和感がします。もう少しフィルターBの密度を減らしてみます。

 

 

④フィルターBの密度を減らしてみる。

[音導管]フィルターA-1

[音導管]フィルターB-4

[フロント筐体内側ベント]フィルターC-11

音導管のA-1のみよりかなり聴きやすくなり、高音をキラキラさせたままエッジのみを削った感じにできました。女性ボーカルはダイレクトに届き、非常に気持ち良いです。高音を減らしたことで低音も程よく出るようになり、いい感じになりました。個人的には非常に好みの音になりました。フィルターCはC-11が1番低音が強くなるので、これ以上強くすることはできないですが、必要十分かなと思いました。

 

 

※おまけ

⑤店長カスタムを作ってみる。

Twitterで店長カスタムと呼ばれている構成にチューニングしてみます。

フィルターCを変更しないといけないので、非常に細かい作業が必要ですが評判がとても良いのでチャレンジしてみることにしました。

 

結果として、大変苦労しました…。C-フィルターを交換するためにドライバホルダーを粘着剤から剥がさないといけないのですが、なかなか上手く剥がれず、糊が筐体側に残ってしまい、細かい場所なので掃除が大変でした。また、交換後にハウジングを閉じてネジを締めるとL側のみ音が出ませんでした。流石に焦りましたが、とりあえずもう一度分解してみるとしっかりドライバからは音が出ています。ここで少し驚いたのですが、ドライバから出ている音って本当に小さい音なんですね。こんな小さい音がハウジングや音導管を通ると、結構しっかり聴こえる音になるんだなあと発見がありました。で、そんなことより音が出ない現象ですが、どうやらネジを締めると音が出なくなります。恐らく内部のケーブルが若干接触してショートしてるのかなぁ…と思って色々弄っていたらなんとか治りました。ハウジングを閉める際は、ケーブルの位置なども気をつけなければならないようです。

 

店長カスタムの音質なのですが、流石final STOREの店長…素晴らしいです。MAKE1自体、女性ボーカルが美しく響くのですが、更に磨きがかかってますね。高音重視なので、声質によっては刺さりがキツく感じるかもしれませんが、中華イヤホンに慣れている身からするとむしろ心地よいです。低音はデフォルトとあまり変わらない感じで、重低音はあまり出ていないです(ちょっと軽すぎるかも…)。やはりEDMや低音重視の電子音楽などにはMAKE1はあまり向かないです。

 

でもヨルシカをより良く聴くという目的は達成されました。フィルターCにはもう触りたくないので、とりあえずしばらくは店長カスタムのままにしてみますが、自作のチューニングも自分好みにできたと思います。

 

まとめ

今回はMAKE1のチューニングにチャレンジしてみました。こうして記録として残しておけば、後で自作チューニングに戻りたくなっても(もうハウジング開けたくないですが…笑)戻ることができるのでこうしてブログに書いてみました。MAKEシリーズはfinal STOREにてまだ在庫がある(2021/01/25時点)ようです。多少の手先の器用さは必要ですが、自分好みの音を追求していく体験は非常に面白かったです。もし興味があってまだ手を出していない人がいれば、ぜひ挑戦してみてほしいです。

 

 

 

KBEAR 8芯純銀ケーブル(2PIN 4.4mm) レビュー

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KBEAR 8芯純銀ケーブル(2PIN 4.4mm)のレビューです。

今回はEasy Earphone(@hulang9078)さんから提供して頂きました。

Easy Earphoneさんの販売ページはコチラ。 

 

AliExpressにて3491円で販売されています。


付属品として立派なポーチがついてました。

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グッドポイント👍

  • 8芯純銀で4000円という価格破壊。
  • 質感は非常に高い。
  • 立派なポーチ付属。
  • しっかりと純銀の変化を感じられる。
  • コネクタ&プラグの種類が豊富。

イマイチポイント👊

  • 少し重めのケーブル。
  • かなり派手なので外では目立つ。

 

以下、3本構成でお送りします。

  1. 外観
  2. 音質
  3. 総評

 

1. 外観

ケーブルの質感は非常に良いです。コネクタやプラグなど、安っぽさは感じません。8芯ですが、通常の16芯銀コート線くらいの太さがあります。また、ケーブル自体が少し重めです。コネクタ部分には耳かけ用のスリーブがあり、癖がついているので、耳かけタイプのイヤホンでないと使用は厳しいです。

真っ白な銀色の中華ケーブルは初めて手にしましたが、やはり某国内メーカーの付属ケーブルのようにカッコいいですよね。ついつい眺めてしまいます。

2PINのコネクタはフラット2PINなので、CIEM 2PIN(埋め込み2PIN)のイヤホンだと長さが足りないと思います。実際にLZ A6などでは長さが足りませんでした。TRI Starseaなどでは問題なく使えると思います。 

他のコネクタにはQDC/TFZ/MMCXがあります。プラグは2.5mm/3.5mm/4.4mmから選択可能です。

 

2. 音質

今回は2PINのケーブルを頂いたので、以下の3つのイヤホンを用いて、付属ケーブルとどれくらい変わるか試してみました。再生機はWM1A、イヤーピースは付属品を使用しました。

ちなみに一緒に提供して頂いたBLON BL-01での使用感はコチラ

・NICEHCK NX7 MK3

NX7 MK3はC16-5という16芯ケーブルが付属します。そのため、実質C16-5との比較レビューになりますね。C16-5も日本Amazonで4000円程なので、NX7 MK3のコスパが如何に良いか改めて感じますね。

C16-5での感想は、高域が強めの弱ドンシャリ。高域の解像度が非常に高く、中低域はそれほど主張して来ないものの、しっかりと質の高い音を鳴らしてくれます。

次に8芯純銀での感想です。まず、純銀線って高域がキツくなって低域が疎かになるイメージだったのですが、全くそんな印象は無いです。確かに高域の解像感はさらに上がりますが、全体的な音のバランスが崩れることもなく、元々のバランスのままに明瞭感や1音1音の質が上がるイメージです。

・KZ ASX

バランス化されたことで再生機器の駆動力が上がったこともあり、高域が暗めに感じることが多いASXでもしっかりと明瞭な音を鳴らすようになります。ただ、それでもWM1Aでは力不足感がありますね。純銀ケーブルらしく、高域はキラキラと前に出るようになりますが、暴れる低域を抑えきれていない様に感じました。個人的には嫌いではないですが、しっかりと駆動力がある環境でないとASXはオススメできませんね。

・TRN BA8

3.5mm→4.4mmになったためバランス化の恩恵もあり、音が広くなり、立体感を持つように感じます。また、もともとBA8は高域に明瞭感がしっかりあるイヤホンですが、音がより上に伸びるように感じますね。音数が多い曲だと少し被って聴こえていた部分も、しっかりと分離して聴けるようになります。低域に関してはキレが良くなりますが、量感は少し減る印象です。低域を下げ、高域を上げるようなチューニングがしたい方にはオススメです。

個人的にはこの組み合わせが一番お気に入りで、何時間でも聴いてしまう気持ちよさです。キラキラの高域とキレのある低音で電子音楽がより楽しいです。

 

3. 総評

8芯純銀ケーブルで4000円という破格ですが、しっかりと純銀らしさを感じることができます。編集時点でAliExpressのみの販売ですが、日本Amazonでも販売されると思います。個人的には中華イヤホンや中華ケーブルは安くてなんぼ、と思っているので是非AliExpressで購入してみてください。届く時間が結構かかるのが難点ですが…(^_^;)

BLON BL-01 レビュー

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BLON BL-01 レビューです。

今回はEasy Earphone(@hulang9078)さんから提供して頂きました。

Easy Earphoneさんの販売ページはコチラ。 

 

AliExpressにて1815円で販売されています。

 

付属品はケーブル、イヤーピース、布ポーチでした。

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金属筐体&鏡面仕上げのイヤホンはキズが付きやすいので、2000円なのにポーチが付属しているのはありがたいですね。

 

グッドポイント👍

  • バランスの良い楽しいサウンド
  • 筐体の質感が良い。
  • ポーチ付属。
  • 耳への収まりは結構良い。

イマイチポイント👊

  • 編集時点(2020/12/05)でAliExpressでしか購入できない。
  • 少し筐体は重め。
  • イヤーピースは微妙。

 

以下、3本構成でお送りします。

  1. 外観、装着感
  2. ドライバ構成と音質
  3. 総評

 

1. 外観、装着感

金属筐体の質は高く、装着感も良好です。やはりこの時期は最初冷たさを感じますが、すぐに暖かくなりますね。1DDなので筐体はコンパクトで、よほど耳が小さい方以外は収まらないことは無いと思います。

付属のイヤーピースはあまり良くなく、しっかりとしたフィット感が得られない可能性が高いです。オススメはスパイラルドット、SednaEarfit Lightです。少し高さがあるイヤーピースの方が収まりが良くなると思います。

付属のケーブルは価格なりです。コネクタはQDCタイプです。特別良くもなく、悪くもないです。タッチノイズは標準くらいで、少し細めのケーブルです。

 

2. ドライバ構成と音質

高音:☆☆☆☆

中音:☆☆☆

低音:☆☆☆☆

ドライバ構成はシンプルな1DDです。AliExpressの販売ページでは10mm Biology Fiber Diaphragm Driverとなっています。「生物繊維ドライバー」というところでしょう。

音質はかなり良いです。各帯域をざっくりと表すと、高域はスッキリとした明瞭感、中域はそれなりの主張、低域は量感と圧もあり表現力が高いです。中華イヤホンらしいドンシャリではなく、聴きやすいバランスの取れたサウンドです。解像感は十分で、適度な音の広さもあります。DAP推奨ですが、スマホでも十分良い音を鳴らしてくれます。もし高域が暗く感じるのであれば、イヤーピースが合ってない可能性があります。付属のイヤーピースはあまり良くないです。

高域はしっかり明瞭で、曇りの無い音を鳴らしてくれます。スッキリとした聴きやすい音で、刺さりなどはありません。2000円ならば十分満足できる質だと思います。金属筐体を活かした響きを少し持つ印象です。

中域はそれなりの主張で、(この価格としては)質の高いサウンドのように思います。ボーカルは少し遠くで定位する印象で、女性ボーカルが気持ちよく、男性ボーカルは悪くない感じです。

低域は表現力が高く、量感と圧もあります。中華っぽさを少し感じますが、悪い印象は無く、しっかりと支えるサウンドになっています。10mmの1DDらしい力強さを持ちながら、他の音域を邪魔しない程度に抑えてあるのは上手いチューニングと感じました。EDM系などの曲は楽しく聴けますね。お気に入りポイントです。

ここで、一緒に送っていただいたKBEAR 8芯純銀ケーブル(2PIN/4.4mm)にリケーブルしてみました。まず一聴して感じるのは低音がグッと強くなり、女性ボーカルが一歩前に出てくる印象です。音が広がり、一つ一つの音の表現が良くなる感じがしますが、これはバランス化とDAPの影響もある気がします。どちらも銀色なので見た目の相性は良いですね。結構これお気に入りです。

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3.総評

2000円で買えるイヤホンとしてはかなり出来が良く、色々な音楽が楽しく聴けるイヤホンでした。個人的には非常にオススメのイヤホンです。悪いところは悪いと言っていいという約束で提供して頂いたのですが、正直なところ少し筐体が重いくらいしか欠点がなく、非常にコスパの良い製品です。

敢えて言うとするとAliExpressでしか注文できないため、入手性が良いとは言えないところでしょうか。しかし、2000円で買えるイヤホンとしては満足度は高いと思います。スマホでも十分良い音を鳴らしてくれるので、知り合いを中華イヤホンの沼に落とすためにプレゼント用などにしても良いでしょう。